7月の雨。


 6月の季節も過ぎて、本来ならば夏本番なのだらう。

 今を持ってもまだ梅雨開けぬ遅い夏である。

 前にも書いたかも知れないが、決まって夏の前の夕方にひとしきりの大雨が降り、

 土が柔らかくなり、一気にセミの子が這い出してきて木に我先によじ登る。  

 夕陽にかすかに虹が立ち、誰かの第一声を合図に羽が乾いた子達が、一斉に鳴き始めるのだ。 

 数年前から、この公式は崩れ既に「ひぐらし」が鳴いている。 

 くだらないTVキャスターが薄い額縁から「本日は県内で最高気温三十四度を記録しました」と 何度も同じ原稿を読む。

 実際は県道横の温度計では「三十八度」を越え、地面からゆらぎが立っているのが現状である。

 人類の栄華と共に何かをトレードオフしないといけないのかも知れない。

 これを機に、自然回帰の道を歩んでは如何だらうか? 

 そんな7月ももう過ぎようとしている。

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