オイカケテ。

　お盆が過ぎ、少しは秋の気配でも見せるかと思いきや 

 県道沿いの温度計は「４１°C」のデジタル表示が出ている。 

　 午後少し回った昼下がり、肌を刺すやうな熱波に抗えず避暑を探し廻る。

 先日、朝方にまとまった雨が降りチャンスとばかりに車を東に急いで走らせる。

 「ほらね！」 おまけに二本も掛かっている そして、ファインダーを覗きながら

「あれ？虹の麓はあの場所の辺じゃないかな？」

 なんて頭の片隅で推測しながらシャッターを切る。

 　その麓には、何でも叶う夢の箱があるそうだ。 

 もう小さい頃から何度探したことか。 

 そう今だって、探すんだ。

じつは、 そこには何も無いのを知っているはずなのに。